各国々に根付いた食と酒によって育まれる文化
その中で特徴的なのがフレンチとワインではないでしょうか
そこで生まれたフレンチパラドックスというワード
このフレンチパラドックスと食文化について少し思いを巡らします
フランスでも日本酒は飲まれている
ご存知の方もいるとは思いますが、今や日本酒はSAKEとして世界中で楽しまれています。まだまだこれからではあるものの、ワイン王国フランスでも日本酒は飲まれており、フランス料理とのペアリングを楽しむ人もいるくらいです。
日本食をワインで楽しむ人がいるように、フランス料理を日本酒で楽しむ人がいてもなんの不思議もない。とまあ、これだけだと「うん、そうだね」で終わってしまいますが、それではあえて書いている意味がないのでもう少し続けようと思います。
最近ではフランスで日本酒用の米を栽培し、それを使用したSAKEも生まれています。愛知県は名古屋にある萬乗醸造が醸す「醸し人九平次CAMARGUEに生まれて」という日本酒がまさにそれです。
太陽が燦々と降り注ぐ南仏のプロヴァンス地方のカマルグというフランス内唯一の稲作地帯で栽培された“マノビ”という米品種で醸されている海外の米で作られたSAKEです。
テイスティングコメントを拝見すると、
色はクリスタルイエロー。立ち香にはほのかに柑橘のニュアンスもある吟醸香。アフターに輪郭を作る苦味と酸味がクッキリと口内を引き締めてくれる。こういった日本酒は生ハムやパテなどの塩味や旨味、脂などのテイストと非常によく合うことからフランス料理の食材とも相性が良いのだろう。
とのこと。
しかしここで考えてみたい問題があるんです。
フランス人の日本酒消費量が増えていったら
先にも述べたフレンチパラドックスという言葉。内容の真偽はともかくとして、意味としてはこうである。
「乳脂肪消費量が多いと心臓病死亡率は高くなる傾向にあるが、フランスはその消費量が高いにもかかわらず死亡率が低い。その理由は赤ワインの消費量が多いから」というような内容です。食と酒の文化が人間の生活と綺麗にマッチした例ですね。
フランスの食文化に自然と馴染む形で醸成されたワイン文化。どちらにとっても欠かせない存在なわけなのですが、仮に今後日本酒がさらにフランスで一般化し、フランスの食卓を席巻した場合に何が起こるか考えてみたところ、1つの結論に達しました。
おそらくフレンチパラドックスは解消されるのではないだろうか、と。これ解消されちゃダメなやつなんですけどね。
フランス人は順当に心臓病を患い、データの通り死亡率が上がるのでしょう。なぜなら、日本酒はワインと成分が異なることもあり、期待される健康効果が異なってしまうからです。
その国や土地にはそこに適合した食文化や酒があると仮定すると、そこに外来種とも言えるものが入り込んだ場合に与える影響というものは少なからずあるのだろうと洋食と日本酒のマリアージュを考えながら思う今日この頃。
僕はどちらかと言うと日本酒は世界中で飲まれて欲しいと思っている人間ですが、ふと昔耳にしたこのフレンチパラドックスという言葉を思い出し、こんな雑記をしたためた次第です。
もちろん誰しもが美味しく酒を飲み、日々健康に暮らす社会が素敵だと思います。そのためにも、適切適量な飲酒と運動を心掛けて健康体を保ちたいものですね。
さて、それでは小話はここまでにしたいと思います。
飲みの場のネタとして「フランスで日本酒が人気になればなるほどフレンチパラドックスは解消される」というような話題に使っていただけましたら幸いです。
皆様本日今宵も美味しい日本酒をどうぞお楽しみください。
〜日本酒に愛を、酒飲みに幸せを〜