和菓子と日本酒!酒粕を使用した新作羊羹と満寿泉のペアリング
虎屋の新年会 featured in 満寿泉
和菓子の老舗虎屋さんの新作羊羹「満寿の露」のお披露目兼新年会が六本木にある虎屋菓寮にて開催されました!
僭越ながら高柳がこちらの羊羹を含め和菓子と日本酒のペアリングを監修させていただき、当日の進行や説明の任を預かりました。なんと光栄な!!
今回のペアリングテーマは「縁」「繋がり」と掲げまして、この日本酒と和菓子、人と人など様々な繋がりと紐付く物語を組ませていただきました。また、「甘いものや和菓子には貴醸酒や古酒でしょ」という定番パターンがありますが、それを打ち破る組み合わせも体感してもらうべく、細部まで練り込んだ次第です。
《このペアリングで大事にしたこと》
①和菓子の風味を消さないこと
②日本酒が負けないこと
③新しい風味を生み出すこと
④味わいのバランスを保つこと
あんこ等の甘味と苦味を含みねっとりとした質感をもつ素材の場合、普通に日本酒を合わせてしまうと中盤以降に苦味が強く残ってしまったり、日本酒の風味がかき消されたりしてしまいます。お酒の持つストーリーを勘案しつつ、そこをどうクリアするかが今回の課題でした。
僕も実際に食べてみて、この満寿の露はお世辞抜きに本当に美味しかった!酒粕を使用した和菓子としては正に最高峰と言っても過言ではありません。是非一度食べてみてもらいたいお菓子です。
和菓子とのペアリングに使用した日本酒
《使用日本酒一覧》
・満寿泉 R8
日本とヨーロッパを繋ぐ日本酒。フランスの某ワイナリーよりいただいているシャンパン酵母で醸されている。穀物が果実になったのかと錯覚すら引き起こす一本。ほのかにグリーンのニュアンスがありハーバルな印象。
・満寿泉 Do You Know 土遊野
生産者と酒蔵と自然を繋ぐ日本酒。満寿泉の酒粕を肥料として使い、有機農法で作物を育てる。その米で作られた一本。ふくよかな香りと充実感のあるボディ、後半にかけてのシャープな輪郭と潔いキレが心地よい。
・満寿泉 純米大吟醸 SPECIAL オーク樽貯蔵
ワインの世界観で昇華された日本酒。モンラッシェの樽で寝かせることで得られた芳醇でエレガントな香味。文化と技術の掛け算によって生まれた逸品。
《和菓子とのペアリング》
・酒粕入羊羹『満寿の露』×R8
酒粕入白煉羊羹に、黒煉羊羹と、日本酒の煌めきを思わせる白琥珀羹を重ねました。『寿 Platina』の酒粕を熟成させて使用し、深い味わいに仕上げています。軽快な酸味とわずかにグリーンのニュアンスのあるR8と合わせることで、それぞれ単体では感じられなかった味わいの調和を感じることができます。
・羊羹製『好文花』白餡入×土遊野
一輪の梅をかたどった、新春にふさわしいお菓子です。希少な白小豆の繊細な味わいが特徴です。土遊野のガッシリした旨味が膨らみつつ、余韻の後口はさっぱりとキレ良くお楽しみいただけます。
・あんやき 黒ごま×土遊野
こし餡と白餡に、卵黄や煉ごまを合わせて焼き上げました。香ばしい黒ごまの香り、ホロホロとした食感が特徴です。土遊野の骨格のある米の旨味がゴマの風味と合わさることで、より生き生きと双方の味わいを感じることができます。
・小倉汁粉×オーク樽貯蔵
小豆の風味を大切におつくりした、和三盆糖仕立てのお汁粉です。きめ細かくなめらかな口当たりが特徴です。エレガントなオーク樽の香味と合わさることでヨーロピアンな雰囲気のお汁粉へと昇華されます。
今回のイベント開催するにあたり
こちらの会では多くのお客様、そして虎屋の黒川社長をはじめ、満寿泉の桝田社長、製造開発室長の五十嵐さん、営業企画の皆様や役員の方などと共に満寿の露と満寿泉のペアリングを楽しみつつしっかり解説までやらせていただきました。検討する中で自宅の机いっぱいに広がる和菓子と日本酒の光景。トライ&エラーを繰り返しながらドンピシャを探す過程。あの研究の時間は大変有意義なものでした。
まだまだ奥深い日本酒の世界、これからも日々勉強を重ねていきたいものです。
こちらの『満寿の露』は全国の虎屋でご購入いただけるとのことなのですが、数量限定のためお近くの店舗にてご確認ください。
また、虎屋菓寮の赤坂店、東京ミッドタウン店、銀座店、帝国ホテル店、新宿伊勢丹、横浜そごう、京都一条店、TORAYA TOKYO喫茶では2月上旬まで高柳が監修させていただきましたペアリングセットをお楽しみいただけます!