こんにちは、Kaoriです。
突然ですが、日本酒って面白いですよね。
同じ銘柄でも、原料となるお米、酵母、醸造方法などが違うと全く違った味わいになる。そこに日本酒の奥深さや、造り手のこだわりを感じます。私が、日本酒をただ飲んで美味しいっていうだけじゃなく、極めてみたいと思った大きな理由でした。
とはいえ、テイスティングの試験となると、そこが複雑で難しいと思ってしまった要素でもあり…
というわけで今回は、日本酒の主原料である米の違いによる味わいの違いを勉強してきました!
▼目次
日本酒の主な原料米とは
日本酒の醸造に適した米は「酒造好適米」と呼ばれ、私たちが普段炊いて食べているお米(飯米)とは少し違った特徴があります。
「酒造好適米」の要件としては、①精米中に砕けにくい、②米粒が大きい、③心白がある、④タンパク質が少ない、⑤軟質米である、などがSAKE DIPLOMAの教本には挙げられています。
そして酒造好適米の中で生産量が最も多いのが「山田錦」。全体の約1/3がこの山田錦です。教本でも多くのページが割かれていますし、2017年度の2次試験でも「原料米が山田錦のものはどれでしょう?」という問題がでました。
2番目に多いのが「五百万石」で全体の約1/4を占めます。3位が「美山錦」、4位が「雄町」、5位が「出羽燦々」です。(2014年の生産量)
この上位5品種、最低でも上位4品種は、特徴と味わいを抑えておきたいなぁと思います。
飲み比べに使用した銘柄
今回の目的は、原料米による味わいの違いを勉強することでしたので、同じ銘柄、同じ特定名称で、原料米の異なる日本酒を飲み比べしてみました。飲んだのは『風の森』。
『風の森』は、すべて「無濾過無化水の生酒」です。その中で、今回は精米歩合80%の3種類のお米を飲み比べてみました。
◆『風の森 山田錦 純米』
◆『風の森 雄町 純米』
◆『風の森 愛山 純米』
いずれも精米歩合80%という低精白ながら、低温長期発酵によって、原料米の個性を存分に引き出した日本酒だそうです!まさにお米の特徴をつかむための飲み比べにはもってこい。
それでは、それぞれ飲んでみての印象をご紹介していきます!
『風の森 山田錦 純米』
まず香りは穏やかで、梨、マスカットのような甘さ控えめ爽やか系の白い果実のような印象です。
アフターはほんのり温かく感じる炊き立てのお米のような香り。
味わいの印象も、穏やかで綺麗。ある意味、今回飲んだ3つのお米の中で1番特徴が感じずらいとも思えました。その分、クセがなく飲みやすく誰でも美味しく飲めるのかなという印象でした。甘さもあるけど、べたっとするような甘さではなくとにかく「綺麗」。
後味に、少しマスカットのようなジューシーな苦味があり、それがまた旨く、綺麗にまとめているかなと思いました。
『風の森 雄町 純米』
香りのの印象は3つの米の中で1番「甘さ」を感じます。つきたての餅のようなお米香(お燗にしても美味しいかも?)、少し樹木のような印象もありました。
味わいは、これも3つの米の中で1番、米の旨味、苦味などの複雑さを感じます。冷蔵庫から出したばかりの冷たい状態でもそれらをしっかり感じます。後味では特に苦味を強く感じるけど、酸味が強くはないせいか、山田錦のように果実っぽいにがみというより、本当にお米由来の苦味だなぁと感じます。全体的に、どっしりとした印象のお酒でした。
『風の森 愛山 純米』
愛山は先ほど挙げた上位5位の酒造好適米には含まれていませんが、私的にはよく見かける、そして特徴的なお米かなぁと思っています。
テキストの生産量順位(2014年)によると、愛山は20位らしいですが。今回見てびっくりしちゃいました。絶対もっと多いと思った!同じくテキストによると、「愛山はデリケートで造りが難しい」とあるので、生産量自体はそこまで多くはないけれど、人気のお米、主役になりうるお米、なのかなって思います。
というわけで、テイスティングしてみました。
香りは、黄色いリンゴや金管、イチゴなど甘酸っぱい果実香か印象的。純米にしてはお米のような香りは強くなく、上新粉のような上品なお米の印象です。温度が常温に近づいてくると、より甘く豊かな印象もありましたが。
味わいは、香りの印象よりも意外と豊かな甘みがしっかりとあり、マイルドな印象です。風の森らしく、前半は微発砲があるので、それがきりっとしたイメージにもなりますが、酸は強いわけではなく非常に上品です。
全体的にしなやかで上品な印象でしたが、アルコールのボリュームがしっかりとしていて、コクも感じるようなお酒でした。
それぞれの原料米の特徴まとめ
上記はあくまで私が「風の森」を飲んでみての感想です。同じ原料米でも造り手が違っていたりするとまた、全然違う味わいになりますよね。
DIPLOMAのテキストにはそれぞれのお米がどういった特徴の味わいになりやすいのかが記載されていますので、ここでまとめておきます。
山田錦
さすが生産量NO1なだけあって、南は九州、北は東北まで2府31県で生産されているようです。
「良質の麹が造りやすく、高精米にも向き、奥行きのある豊醇な味わいな味わいの酒を生み出しやすい」そうです。
雄町
現在栽培されている酒造好適米の中で一番歴史のある品種です。
酒質については、「適度な旨味のある酒になる。酒質にまろみがあり、秋上がりする」そうです。
愛山
「ゆったりとした奥深さ、繊細さを持つ、優しい味わいの酒になるといわれている」そうです。
今回飲んだ風の森の愛山でもこの特徴は出ているかなと思いました!
まとめてはみたものの、テキストにはそれぞれの米の歴史などは細かく触れられているものの、味わいの特徴については上記のように1行程度です。しかも、ちょっと読んだだけじゃ掴みづらいですよね。私は全然わからなかったです。笑
なので、テキスト記載の特徴を意識しつつ、いろいろ飲み比べてみて自分なりにどう感じるかを見つけていくのが良いかもしれませんね。
今回のお店
最後に、今回飲み比べをしたお店をご紹介します!
新宿駅東口の『know by moto』さんです。
know by moto (ノウ バイ モト)
住所:東京都新宿区新宿3-26-14 B1F
営業時間:11:00~23:00(L.O.22:00)
新宿TSUTAYA。その地下へと続く階段を降りると…日本酒の天国が待ってます!笑
TSUTAYAとコラボしているそうで、店内には日本酒に関する本がたくさん。購入できるそうです!
テーブル席とカウンター席あり。カウンターはお洒落な感じで女性1人でも入りやすいです。日本酒を楽しむものとしては全席禁煙なのも嬉しいですね。
日本酒のラインナップももちろんすごいです。120本を超える酒があるそう。
そして、風の森のラインナップがこちら!
今回飲んだ3種類以外にもたくさんの種類があります。他のお米との飲み比べもまだまだできるし、精米歩合による違いも飲み比べ、できそうですよね!
なんとお昼11時から飲めますので、ぜひゆっくりと訪れてみてください。